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昇格論文の文章構成を起承転結に求める方が一部いらっしゃって、ぎこちなくなり身動きが取れなくなっているケースが目立ちます。
昇格試験の小論文はもとより、学術論文においても、原則、起承転結の文章構成にすることはありません。
もちろん採用しても良いのですが、きっとうまい構成になりません。
起承転結は4コマ漫画
起承転結がどういうものか、どのような文章構成なのかは、インターネットで検索してみれば、気持ちがいいくらいコピペサイトがありますので、そちらをご覧いただくとして(一次情報をあたったほうが賢明です。言語学の研究者の論文やレポートを読むのがいいかも)、
ざっくりと言いますと、
起 大枠の前振り
承 前振り
転 問題が起きた!
結 そしてどうなった
となります。
4コマ漫画を想像していただくと分かりやすいかもしれません。
「課題の提起とその解決策」
昇格論文の文章構成は、余分なものをそぎ落とせば「課題の提起とその解決策」という大きな2つの柱で成り立ちます。
書いていくうちに、課題の提起のために枝葉を盛り込む必要があり、また、解決策を提示するためにやはり枝葉を盛り込む必要が出てきます。枝葉の話を複数合わせれば1つの柱になり、それが何束もありますと、柱は結果として3つにもなり、4つにも5つにもなります。また、そもそも解決策がない場合もあります。
4コマ漫画のように、スルスルと「落ち」に向かうことができず、そのため、起承転結は昇格論文には合わないのです。
序論-本論-結論もざっくり過ぎて使えない
他方、序論-本論-結論という構成もよく言われます。
これはこれで不十分と言いますか、少なくとも今このページをご覧になっている皆さんが知りたいことではないです。
序論-本論-結論は、とりわけ本論がざっくりとひとまとまりになり過ぎていて、その本論をどのような構成にするのかがよく分からず、悩みの種となります。
枠に当てはめなくてもいい
ではどういう構成が良いのかについてですが、特にこれが正解というものはありません。
事前に枠に当てはめようとせず、結果としてできあがった構成が一番書きやすく、良い内容になります。
「とは言ってもそれが難しいんですよね」
と思うのが、昇格試験を控えた方の気持ちだと思いますので、あえて枠を付けるとすれば、「課題の提起とその解決策」です。このものすごくざっくりとした枠組みを意識していただき、ここにさまざまな内容を肉付けしていくことで、形になります。