転職活動で必須になる職務経歴書。
なんとなく、文字通りの職務の経歴をつらつらと書く書類であることはイメージできるものの、「伝わる書き方がどうも分からない」というのが、転職活動中の方々の本音である。
実際のところ、履歴書やエントリーシートのように書くべき内容がしっかり定まっているわけではなく、自由度が高いはずなのだが、なぜか自身が経験してきた職務の要約をするだけになっているケースが目立つ。というよりも、どこでどうなったか「職務要約をずらりと並べただけのもの=職務経歴書」という理解が一般的になってしまっている。
職務要約だけでは読まれない
がしかし、職務要約を並べただけの職務経歴書では確実に採用担当者に伝わらない。
もし、皆さんのお近くに採用活動をしたことがある人がいらっしゃるなら、その人に聞いてみてほしいのだが、職務経歴書は志望動機や自己PRと比べてじっくり読まない。ななめ読みで、ほとんど読んでいないケースがあるはずだ。
読まれないのには理由がある。
それは企業の採用担当者が怠惰というわけではなく、職務要約を並べただけの職務経歴書は、無味無臭で乾燥していて、じっくり読まなくても何も影響がない。重要ではないからである。
How(どのように)を入れるのがコツ
ではどのように書くべきかというのが本稿の主題であるが、それはとても単純明快だ。
「自分がどんなことをやってきたか」を書く
これが正しい。
職務要約は、職務の説明になってしまいやすい。
たとえば、新人のOJTが職務領域の一つであれば、「新人のOJT」としか書かない。これは単に職務の説明に留まっている。
ここに「自分がどんなことをやってきたか」というアプローチを入れることで、一気に味も香りも出て感情のある内容になる。
「新人のOJT」という職務そのものの説明ではなく、「自分がどんなふうに新人のOJTをしたか」にフォーカスする。格好よく言えば、How(どのように)を入れるのがコツである。
優位性が出るように文章で表現すればよい
そうすることで、「自分」が「その会社」で「何をやってきたか」が読み手に明らかになり、それは自分の強みを理解してもらうことにつながる。その意味で、職務経歴書は自己PRと連動しているものである。むしろ連動していないと、かなりおかしい。
ここで多くの方は、
「自分がどんなことをやってきたか」をアピールするほど、大きなことはやっていない・・・
と感じるかもしれないが、そうとも限らない。
自分にとってはたいしたことでなくても、第三者から見ればあなたの職務領域は未知の魅力的なもので、かならず優位性はあるし、優位性が出るように文章で表現すればよいのだ。
資格であれば、「秘書検定1級」や「日商簿記2級」のようにその資格を保有していることによって優位性がパッと見て分かるが、職務経験は優位性がイメージしづらい。「新人のOJT」という説明だけでは優位に働かないのだ。
だからこそ、How(どのように)を意識して取り入れることによって、あなたの職務経歴書は「活きた書類」となり、採用担当者の目に留まることになる。