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経営コンサルタント 志望動機の考え方

time 2021/04/15

当社では、昨年から経営コンサルタントになりたいお客様のコンサルをしています。
ややこしいですね。
コンサルといっても、当社の事業立ち上げ・運営の経験知(経験から得られる知識)を元にした原稿作成の面でのサポートです。
 
とくにコンサルをするという意識ではないのですが、原稿作成の流れで自然と経営周りのお話が出てくるためお伝えしているというくらいです。

 
経営を知らない経営コンサルタント!?

当社の経験を踏まえ、経営コンサルタントへの転職を考えている方に、志望動機の組み立て方というか、考え方をお伝えしたいと思います。

過去、経営者ではないものの企業の幹部としてある程度運営に関わってきた方であれば気を付けることは少なく、まさにこれまで経験してきたことを元にして、志望動機を組み立てていくことができます。

問題は、その種の経営周りに関わったことがない方で、もっと言うと、ビジネスパーソンとしてこれといった実績を持っていらっしゃらない方の場合です。経営コンサルタントという職業を志望するためには、なんらかの「能力」と「経験」を持っていないと、そのアドバイスと称したその話に、誰も耳を傾けないと思います。

また、「能力」と「経験」を有している方であっても、得手不得手、得意分野・不得意分野がありますので、無理に「なんでもどんなことでも対応できます」と書かないほうが賢明です。書いたところで、面接でバレます。

 
得手不得手をわきまえる

たとえば、金融機関で融資の審査を行ってきた人であれば、企業の資金周りのことはとても得意だと思います。また、決算資料を見て現状の経営状態はどうか、将来性はどうかなどの予測を立てることができます。他方、経営状態を見ることはできても、それを向上させるにはどうすればいいかは皆目見当がつきません。つまり、現状を把握することとそこから将来性を見ることはできても、融資したお金を利益に変える方法は分かりません。

税理士や会計事務所でも同じです。一概には言えませんので、税務処理を行なってくれる普通の中規模・小規模の会計事務所という想定でいきましょう。彼らは税務処理をする、いわば税金周りの手続きの人です。税制に明るく、法に基づいて的確な税務処理をしてくれますし、そのやり方・考え方を教えてくれます。この部分でのコンサルは素晴らしいです。他方、売上獲得のためにどうすればよいか、費用圧縮のために何をすればよいか、従業員のマネジメントは?など、実際の経営に関して深い知見を持っているわけではありません。

自らを経営コンサルタントと名乗っている人の中にも、すごく勉強して知識を身に付けてそれをアドバイスの材料にする方がいらっしゃいます。たしかにその知識を教えてくれるという意味では、とても素晴らしいことですし、クライアントの経験を事例として教えてくれるのも素晴らしい。ですが、本人はやったことがありません。
面白いと思いませんか?やったこともない、実績がない人が経営者に経営を語るんです(笑)

と、こういうふうに、いわゆるコンサル業務を人様に提供している会社や個人は、得手不得手、得意分野・不得意分野があり、あくまで得意な分野の範囲内でサービスを提供する必要があります。不得意分野あるいは全然知らない分野にまで広げてしまうと、それは「居酒屋での、おっさんの会話」と変わりません(笑)「人に説明するなら、自分がやれば?」と一蹴されます。

 
自らも経営者のような感覚を持って臨む

実績を持たない人が経営コンサルタントになる、あるいは実績を持たない領域にまでコンサルサービスを提供すること自体、悪いことではありません。現に、そんな人、たくさんいますし。また、「経営コンサルというサービス提供」という目線で見れば、別に自身が経営に関する実績を持っていなくてもできるようにするのが、賢いやり方だと思います。そんな会社、いくらでもありますし。

ですが、個人レベルで言えば、それは「口八丁手八丁」であって、それが自分の実になってビジネスパーソンとして大きくなっていけるのかどうか。少し疑問が残ります。
「人に説明するだけの人」にはならずに、深く自らも経営に入るような、経営コンサルタントのようで自らも事業者のような感覚を持って臨むのが健康的ではないかと思います。

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