本日は9月30日。
学校によっては出願の締め切りが10月半ば以降のところもありますので、まだもう少しご依頼をいただくかもしれませんが、今年の願書の原稿作成のご依頼はピークを迎え、ひと段落いたしましたので、総括と来年に生かせそうな気付きの部分をお伝えしようと思います。
といっても原稿作成側のことだけではなく、このウェブサイトは多くの保護者様にご覧いただいており、来年(あるいは今年もうちょっと)受験を予定しているご家庭もおありだと思いますので、そういった皆様のことを意識しながらお伝えいたします。
1、学校見学会・説明会がなかったのは、ちょっと厳しかった
今年の受験で最も特徴的だった出来事です。
新型コロナウィルスの感染防止のため、各学校とも、見学会や説明会が軒並み中止になりました。
一部の学校では、日を分けて、人数を制限して説明会を行い、また、オンラインでの説明会などに切り替える学校がありましたが、保護者・子供が「学校を肌で感じる」という意味では、どれも不十分な気がして、その学校のリアリティを感じにくかったのではないかと思います。
このことは、願書や面接にも影響します。と言いますか、今このページを書いている時はまだ面接を控えている依頼者様が大勢いらっしゃいますので言い切れませんが、少なくとも願書の志望理由欄においては、リアリティを感じにくいぶん、志望理由を想像するのが難しかったのではないかと思います。
この辺は、どのご家庭も同じ状況で横一線ですので、見学会・説明会の中止や縮小、オンラインへの切り替えが合否にどう影響してくるか、ある意味楽しみでもあります。
他方、リアリティを感じることとは別の見方をすれば、そもそも見学会・説明会に一度参加したからと言って、その学校のことをめちゃくちゃ好きになるわけでも嫌いになるわけでもなく、また、細部まで知るまでには至らず、実際のところは「見学会・説明会に行った」という既成事実を作りたいという本音もあったりして、とくに見学会・説明会の有無はどのご家庭にも影響はないのかなと考えることもできます。
2、歴史の浅い学校の願書は興味深かった
まだできて間もない(数年しか経っていない)学校を志望される複数のご家庭からご依頼をいただきました。
興味深かったのは、学校によっては結構トガッた願書の項目があって、たとえば「子供の教育とはいかあるべきか?」といった質問内容です。
「家庭の教育方針」ではなく、概して「子供の教育はどのようにするのがよいか?」という「あるべき論」の質問になっていて、これにこたえようとする場合、現代社会はどのような状況か、子供が社会人になる頃にはどのような社会になっているのか等、日本社会のことにも触れる必要が出てきますので、その意味で、とても社会派のような質問項目だと感じました。
なかなかその学校が好む正解が分かりづらい節はありましたが、依頼者様としっかり打ち合わせをして、我ながらレベルの高い原稿を作ることができたと思います。
3、学校指定の本を読んだうえで記入する欄、テーマが広すぎるように感じた
このお話をするとだいたいどの学校かすぐに分かってしまいますが、お題が広すぎるんですよね。
たとえば、「この本を読んで、令和の時代の小学生が大事にしなければならないと感じたことをお書きください」みたいに少しだけでも質問が絞られていればいいのですが、当社にご依頼をいただいた学校のお題は、平たく言えば、「この本を読んで感じたことは何ですか?」でした。
と、こうなると、どのご家庭もその学校の教育方針に沿った内容を書くことが予想され、どれもこれも同じことばかり書かれた願書が量産されるように感じ、それはマズイということで、当社はおそらく他のご家庭が書かないであろう角度から学校の教育方針に理解を示す内容を作成しました。
これをどう捉えるかは学校の受験担当の先生に依りますので(ちゃんと本当に読んでいると前提はつきますが)、良しあしは分かりませんが、少なくとも、他の大勢の願書とは異なるキラリと光るものにはなったように思います。
4、両親の職業欄があるということは、そういうことなんだろうと感じた
追記的な内容です。
タイトルのまんまですが、今年に限らず、両親の職業欄があるということは、そういうことなんだろうなあと感じました。
5、塾(の先生)によって願書の書き方の指導に能力差があるように感じた
これも追記的な内容です。
依頼者様と打ち合わせをする際に、「塾の先生がこういうふうにおっしゃってた」というお話が出てきます。
気になったのは、塾(の先生)によっては、「難しい言葉は使ってはいけない。面倒な人だと思われる」や「無理やりにでもエピソードを2つ入れる(それにより明らかにヘンな構成になる)」とおっしゃる方もいらっしゃって、当社としては「ホントに?」と思うことがありました。
ぶっちゃけ、パッと見たときの思い付きでおっしゃってるだけのような先生もいらっしゃったような、いらっしゃらなかったような(笑)
こういったところです。
かならずしも簡単ではない小学校受験。
当社としては、合否に関知はしないと言いますか、できないポジションで仕事をしていますが、それでも感じるのは、合格のために無理やり子供に何かをさせるのはよろしくありませんので、あくまで自然体で準備をして、その結果として合格したらとても嬉しいですし、それでいい結果がでなくても、それはそれでその受験の準備で保護者も子供も得るものが大きかったという意味では成長の糧となるはずですので、どのみち結果オーライです。
受験のための勉強、勉強のための勉強ではなくて、子供の健やかな成長の一つの過程に受験がある、くらいの感覚で思っていただくのが、保護者・子供の心身に健康かなと思っています。
当社は、原稿作成の面で、皆様を思いっきり力強くサポートいたします。