今回は、願書の家庭の書き方の、少しテクニカルなお話です。
項目としては、「志望理由」または「家庭の教育方針」にあてはまります。
書いてしまいがちな言い回しの代表格「学校(または幼稚園)の教育方針と我が家の教育方針の一致」。
このあとに「だから志望させていただいた」というふうに続けて、教育方針の一致を志望の理由付けにされる方が、ままいらっしゃいます。
一見、もっともらしく見えますが、これは2つの意味で物足りません。
物足りない理由1 教育方針の一致は当たり前だから
よくよく考えて見ますと、志望校(志望園)の教育の理念・方針に賛同するからこそ志望するのであって、また、実際に志望校(志望園)の教育の理念・方針は外部からは窺い知れないとしても、その学校(園)に我が子を入学させたいわけですので、賛意を示すべき事柄です。
そのため「貴校とうちとは、考えが一緒ですよ」と書いても、なんのインパクトも聡明さも丁寧さも入試担当者に感じていただくことができません。
物足りない理由2 上から目線になっているから
もう一つは、表現の仕方に問題があります。
「貴校の教育方針と私どもの教育方針は一致しており」「~は一(いつ)にするところであり」「~は同様であり」
これらを見てピンと来た方は、とても勘が良いと思います。
えらそうなんです。いくら丁寧な表現にしたところで、言いたいことは「学校とうちの教育方針は一緒」ということですので、要は目線が学校と同じ、あるいはちょっと上からになってしまいます。
角度を変えれば「教育方針の一致」は使える
他方、教育方針が一致していること、あるいは一致しているようにすることそのものはとても大事なことですので、少し角度を変えることで非常に優れた願書の材料になります。
たとえば、学校(園)の教育方針の具体的なことに賛意を示し、それを我が子の教育のために欲していて、実際に家庭でもそれを重要視している。我が子にとってその学校で学ぶ必要性を強く感じている、是非学びの機会をいただきたく、、、という書き方であれば、「一致している」の一歩先を行く内容になり、また、上から目線ではなく、むしろ謙譲の美徳は保たれます。
志望校(園)のウェブやパンフレットに載っているような外形的な教育の方針ではなく、その志望校(園)のリアルな部分を見聞きしていくことで、ご家庭での教育方針との具体的なつながり、あるいは、つながりにできるものが見えてくるはずです。
表現の仕方には、技術とコツが必要です。
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