慶應義塾幼稚舎・横浜初等部の願書作成の参考にしていただくための
シリーズ「福翁百話をこの角度で見る」
今回は、
26話「子に対して多を求むるなかれ」
です。
子育てについての親の振る舞いについて書かれた26話。
題材として取り上げやすいスタンダードなお話です。
このお話で興味深いのは、
福澤先生が言う「常軌を逸した考え」を持つ親が2パターン考えられることです。
1つ目はそのまんまのストレートな内容です。
1,子供なのだから親の面倒を見て当たり前
2,娘を身売りする
3,生活のために早く働かせよう
これらは分かりやすく福澤先生の言うところの「常軌を逸した考え方」です。
しかし、これは良くない意味でストレートな内容過ぎて、願書作成の材料にはなりません。
重要なのは2つ目のパターンです。
「常軌を逸している」と言っても、上記のようなストレートなものではなく、親が無意識のうちに「常軌を逸して」しまっているパターンです。
上述の2や3のように目に見えて「それはちょっとね・・・」と思うようなことではなく、無意識のうちに、親が子供を自分のプラスになるための存在として捉えていないか、です。
福翁百話の現代訳版には、「子離れはさわやかに」というタイトルが付いていますが(オリジナルには付いていません)、
子離れには、「子供への愛情からいつになっても子供を気に掛けている。それを自戒しなくちゃ」というポジティブな面もあれば、「子供を、親をプラスにするための材料にしてはならない」という意味でのネガティブな面も入っているのではないかと感じます。
そして、たいていの親はどちらも思い当たる節があって、前者は意識的に、後者は無意識的に思っていらっしゃるはずです。
この26話では、そこまでは読み取ることができませんが、願書の材料としては、子離れのネガティブな面から構成をお考えいただいたほうが深い内容になるのではないかと思います。
表現の仕方には、技術とコツが必要です。
原稿の作成は担当します。面接その他の受験準備に気持ちを向けてください。
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